英語だけでなくフランス語にもめっぽう弱いことから、「Blanc」という単語を辞書で調べたところ、フランス語では空白や白を意味し、料理においてはクールブイヨンなる野菜出汁を意味するらしい。
そんな洒落た意味を持つ言葉が店名についていることを考えると、何となく提供される料理についても想像力が働くというか、店名のような世界観を持つ料理が出てくるのではと期待するというもの。
元は都内でお店を構えていたとのことだが、シェフの奥様の地元である大宮の地に移転とのこと、このあたりは沖縄古宇利島の「6」を思わせるホットストーリーでもあり、そんなことも含めて食の空白地帯に住む県民としては期待せずにはいられないレストラン。
初回訪問から居心地の良さを感じるオープンキッチンの店内は強い緊張を強いられることもなく、もちろんチープさなどは微塵もないため普段使いだけでなく、記念日利用でも力を発揮してくれそう。
肝心の料理は、地元産の食材をふんだんに取り入れたイノベーティブ・フレンチといったところか。素材の味をより強く引き出そうとする工夫を感じ、見た目もその味を連想させるような色彩豊かな盛り付けとなっている。埼玉大宮でこのプライスで、このクオリティーのフレンチが食べられることがサプライズの一言に尽きるというもの。是非ともこれからも長く長くおつきあいさせて頂きたい貴重なレストラン。
初めの一皿は「水、柚子」と記されている。魚の出汁で胃を温める。
埼玉の小鉢と記される一品には鴨やフォアグラを。
スペシャリテは埼玉県産のかぼちゃ「なんぶいちろう」のムースの下にあおり烏賊を敷いて。
冷たい前菜は上ノ国「牡丹海老」、甘エビ、里芋
温かい前菜は川島町「しいたけ」、生雲丹、豚足
魚料理は下関産「ごまはた」、仏産セップ茸
肉料理は北海道産「知床牛」、ビーツ、ハイビスカス
料理に合わせてチョイスできるワインもあるし、ボトルでも好みを伝えれば白だろうが赤だろうが3〜4本持ってきてくれる。当然と言えば当然なのだが、食の空白地帯大宮あたりでは飲み物と食べ物をハイレベルで提供できる店は限られる。そうゆう意味でも今後更なる人気店になってしまうだろう。
【Blanc】
■ジャンル:フレンチ
■最寄り駅:JR大宮駅西口から徒歩10分
■電話:048-764-8224
■住所:埼玉県さいたま市中央区上落合8-3-26
■営業時間:[火~金]18:00~23:00(L.O)
[土・日・祝]11:30~14:00(L.O12:30)/18:00~23:00(L.O19:30)
■定休日:不定休
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